大阪地方裁判所 昭和40年(む)404号 決定
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔決定理由〕よつて審按するに、本件記録によると、被告人は既に起訴され、弁護人から被告人の書類送達場所として○○市○○住宅○○方と届出られ、同人および弁護人からも公判出頭について身元引受書が出されており、被告人の勤務先も明らかであり、被告人の特定については起訴状に貼付されている写真などで可能であり、被告人の出頭および刑執行の確保につき別段支障を来すものとは言えないのであつて、その他本件公訴事実が軽微かつ単純であるうえ、罪証隠滅のおそれが全くないことなどを勘案すると、刑事訴訟法第六〇条第一項第一号に該当するとしても被告人を勾留する必要がないものといわざるを得ない。<以下略>(河村澄夫 宇井正一 谷口敬一)
注 被告人は現行犯人として逮捕されて以来、本籍、住居、氏名を黙秘しており検察官は氏名不詳のまま同人の写真添付のうえ公判請求した。犯罪事実は屋外広告物法施行条例違反で、広告物の貼付を禁じられている電柱に広告物を貼付したというもの。身元引受人も勤務先の者も被告人の氏名、住所等については捜査官に供述することを拒んでいる。